お客様を即座にあやつる方法

行動心理学とマーケティング

100年以上変わっていません。

今回は私の先生から聞いた人間の行動心理の法則についてお伝えします。人がどんなときに行動するのか?またどんなことを信じるのか?を5つにまとめています。あなたにも思い当たることがあるのではないでしょうか。

1.返報性の法則

返報には「恨みを返す」意味もありますが、ここでは「なにか良いことをされたり、良いものをもらったりしたらお返しをしたくなる」ことです。

あなたが誰かに与えれば与えるほど、相手はあなたに何かお返しをしたくなるものです。お歳暮やお中元、年賀状のやりとりもそうかもしれません。

これをビジネスに利用しているのが、試飲や試食販売です。

試飲や試食はまずお客さんになりそうな人に、食べたり飲んだりしてもらいます。試飲・試食をした人は、「(こんなに美味しいものをもらったら)何か買わないと悪いなあ」の気持ちになってゆきます。

この返報性の法則は、セールスコピーライターの考え方に似ていると言われます。セールスコピーライターはまずクライアントを稼がせて、そのうちの一部を報酬としてもらうからです。

2.コミットメントと一貫性

あなたは映画館へ映画を見に行った時に、つまらない内容の映画だったらどうしますか?途中でサッサと帰りますか?

ほとんどの人は、最後まで映画を見てから帰ると思います。

これは、一度決めて「Yes!」と言ったものについては、途中で変えたくない心理が働くからです。人は自分のくだした決断が間違っていると思いたくないのです。

この心理が「映画を見出したら最後まで見なければいけない」という思い込みにつながっています。途中で出てもいいはずなのに、です。

映画の途中で寝てしまった時、少しもったいない気持ちになるのも同じ理由からでしょう。本当におもしろい映画なら、眠くならないと思います。

ビジネスに活かす場合には、お客さんが納得できる小さいことから「Yes」と言ってもらい、徐々に購買や契約につなげてゆく方法があります。

3.社会的証明

この法則、日本人は特によく見られると言われます。

デパートの地下や商店街で「○○の最後尾」と書かれたプラカードを持った人と、大行列があった場合、自分もそこについて並びたくなりませんか?これが社会的証明のひとつになります。

つまり、他人が良いと言っているものは、「良いものなのだろう」と無意識に思ってしまう心理です。

「他の人も○○をしているから」「知らないのを馬鹿にされるのはイヤだから」という言葉に置き換えられて、行動につながっていることもあります。

また、東京や大阪など大都市圏の人ほど行列に並ぶのが好きだということも言われています。田舎になればなるほど、面倒になってほかに移ってしまう傾向があるそうです。

これを利用して、店内に余り人を入れず、待っているお客さんには店外で並んでもらうことにした、ローストビーフ丼のお店もあったみたいです。

統計的には、自分で自分の行動を決断できるのは5%だけだと言われています。その他95%の人は何をしているかというと、5%の人の決断に乗っかってついて行っているだけだそうです。

ビジネスにこの法則を役立てる場合は「〇〇%の人がやっている!」「〇千人が読んでいる」と強調したり、使用しているお客様の声をたくさん掲載したりする方法があげられます。

4.権威性

上の社会的証明とも少し関係性があります。次のお話を読んで下さい。

ある日、Aさん(74歳)のところに、警察から電話がかかってきました。

警察:「あなたのキャッシュカードが振り込め詐欺に使われました!すぐにキャッシュカードの変更手続きをしたほうが良いです。」
Aさん:「それは大変だ!教えて頂いてありがとうございます。それでどうしたらよいのですか?」
警察:「現在、捜査に協力して頂いているB県銀行協会の方がキャッシュカードの変更手続きを迅速に進めています。こちらから銀行協会に連絡して、後日変更手続きに行ってもらうようにできますがどうしますか?」
Aさん:「そのような流れになっているんですね!手続きをすぐに進めたいので、銀行協会の方に伝えて下さい。」

翌日、バリッとしたスーツを着た銀行協会の方がAさんの家にやってきました。『B県銀行協会』と書かれた名札をつけて、きれいな名刺をAさんに渡しました。

Aさんはキャッシュカードの変更手続きをお願いするために、銀行の預金通帳とキャッシュカードを渡しました。

3日後、連絡があるはずのB県銀行協会から連絡がありません。Aさんは名刺にあった電話番号に連絡しましたが、使われていない電話番号でした。もちろん、キャッシュカードと通帳は戻って来ませんでした。

・・・・・・これは、最新の詐欺の手法です。近所のスーパーにも、この詐欺手法に気をつけるよう、警察から警告の貼り紙が貼ってありました。

つまり、人は肩書きや権力にとても弱いのです。日本だけでなく世界共通だそうです。

上の話に出てきた、『警察』や『銀行協会』は嘘の肩書きで、犯人達がそう言っているだけです。それだけのことですが、多くの人はその肩書きを信用してしまう傾向にあります。

この法則をビジネス利用するにはどうすれば良いのでしょうか?

良く目にするセールスコピーをあげると「芸能人の〇〇さんも愛用」「〇〇大学の教授も認めたこの成分」「東大生が教える最新の勉強法」などになります。

その分野のカリスマ的存在が愛用・推薦すると、今までよりも数倍売り上げが上がる傾向が高いです。

ミシュランやモンドセレクションに評価されるのも同じです。それぞれ民間の会社や団体が評価しているだけなのですが、あると無いとでは人の見る目が大きく変わります。

5.希少性

一般的に手に入らないもの、入りにくいものは価値が高いです。世の中にありふれているものは欲しくなりません。みんながいつでも買えるものを売っていてもなかなか売り上げは上がらないと思います。

野菜が豊作の時、値崩れを防ぐためにわざと市場に出さず、農家が捨ててしまっているニュースを見たことがありませんか?これも価値を維持するための方法の1つです。

クライアントさんの商品やサービスにどれだけ希少性を持たせられるかが、セールスコピーライターの腕の見せどころとも言えます。

『本日限定』『この特典は本日限り』など、いつでも買えない・もらえないようにすることで、希少性を高めることができます。この文章をつけるだけで、成約率が数倍になる強力な方法です。

余談

以上の内容は、『影響力の武器』という長年ベストセラーになっている行動心理学の名著にかかれている内容です。


私も早速購入しました。ネット書店で目次を読んでみると、今回出てこなかった『好意』の項目もあり、とても気になります。

本を読んでの感想も、読んだ後に付け加えたいと思います。

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清水 龍(しみず りょう)

清水 龍(しみず りょう)

電子書籍プロモーター。環境関連のコンサルティング会社に入った事がきっかけで、提案内容を人に伝える方法や分かりやすい文章の書き方におもしろさを感じるようになりました。文章の書き方、伝え方の技術を電子書籍に応用し、集客や売上アップにつながる出版サポートをしています。兵庫県広報情報センター 代表

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