清水です。
毎年、10月~3月頃は
インフルエンザがはやります。
でも、今シーズンはインフルエンザに
なる人が大幅に減っているそうです。
どうやら、新型コロナウィルスの対策が
インフルエンザウィルス対策にも
なったんですね。
それだけ、手洗いや消毒・除菌が
効果を発揮しています。
しかし、手洗いや消毒が病気の予防になることは、
19世紀まで一般的に知られていませんでした。
このことが一般的になったのは、
『手洗いの父』『母親たちの救い主』と呼ばれている
お医者さんの研究成果があったためです。
このお医者さんの名前は、
センメルヴェイス・イグナーツ氏です。
今の世の中では、
『病院が清潔なのは当たり前』
と思われています。
実は、手洗いどころか、
病院がきれいになったのも
センメルヴェイス氏の
おかげなんです。
センメルヴェイス氏は19世紀の
ハンガリーの医師です。
彼は自分の勤めている病院で
お産後に亡くなる女性が
多いことを気にしていました。
どのくらい多いかというと、
一般的な助産師さんのもとでのお産に
比べて、3倍も高くなっていたのです。
当時の医学知識では『菌』や『細菌』などの
微生物について、まだ知られていない持代です。
そのため、当時のお医者さんは、
重病や大けがの患者さんを診察した後でも
手を洗わず、白衣も変えずに別の患者さんを
見ていました。
診察の相手がほとんど妊産婦の助産師さんに
比べて、当時のお医者さんの方が汚いことは、
現代の知識があればわかりますよね?
そんな時に、センメルヴェイス氏は
次亜塩素酸カルシウム(じあえんそさんカルシウム)で
手を洗ってからお産の手伝いをすると、
亡くなる女性が少なくなることに気がつきました。
次亜塩素酸カルシウムというのは、カルキのことで、
現在では水道水の殺菌に使われています。
学校のプールの底に白くて丸い塊が沈んでいるのを
見たことがあるかもしれません。
あれが、次亜塩素酸カルシウムです。
まあ、当時は『殺菌』という概念が無かったので、
手の臭いを落とすために使っていたようです。
これが、大発見につながりました。
しかし、残念なことに、
当時の医学界はセンメルヴェイス氏の発見を
無視したり、嘲笑したりしたそうです。
お医者さんが患者さんを悪化させているということを
認めたくなかったのかもしれません。
そのため、センメルヴェイス氏の
『手洗い』効果が広く知られるように
なったのは、彼が亡くなった後のことです。
このような、『新事実を拒絶することや、
常識では説明できないことを受け入れられない』
心理状態を、『センメルヴェイス反射』と呼びます。
常識を疑うことはとても難しいことですが、
こんな名前がつくほど彼の業績は偉大だったんです。
現在の常識では説明できないことも、
数十年後には当然の知識になっているかも
しれませんね。
今の常識を疑って考えてみることも、
たまには良いのではないでしょうか。
本日の話題は数日前に表示されていた
Googleのロゴから着想して
組み立てました。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございます!
明日は心理現象に関する
話題を考えています。
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