あなたにとって、一番の資産とはなんですか?
現金?車?それとも自社ビル?
会計上はそうかもしれませんが、もっと大事な資産を忘れているかもしれません。
今回は、江戸時代の商人が最も大事にしていたと言われている『ある資産』をつかったマーケティング手法についてお伝えします。
1.火事になってもこれだけは
ちょっと昔の話をします。パソコンやインターネット、それどころか車もなかった江戸時代のお話です。
江戸時代の商人は街で火事が起きた時、顧客台帳だけはもって逃げたと言われています。別の話によると、真っ先に顧客台帳を井戸に投げ込んだとも言われております。
江戸商人の顧客台帳は、コンニャクのりで加工されていて、水に濡れても文字が消えなかったそうです。
持って逃げたか、井戸に投げたかは時と場合によるかもしれませんが、それだけ江戸商人が顧客台帳(顧客情報)を大事にしていたと言うことです。
なぜ江戸商人はそれほどまでに顧客情報を大事にしていたのでしょうか?
お金やお店がなくなってしまうと確かに大変ではあるのですが、お客さんがいれば商品がなくても何かしらの価値を提供することができます。その対価がとりあえずをしのげる住居でも、食べ物でも良いわけです。そこからまた始めればよいのですから。
しかし、お客さんの情報がなくなってしまうと大変です。
新規客を獲得して稼ぐには固定客維持の5倍コストがかかると言われます。そのため、顧客情報を大事にして、火事からの復活を早めたいと考えたのでしょう。
2.リストは資産
このリストとは、お客さんの情報のことです。リストと言ってしまうと無機質な感じになって、生身の人と人のつきあいであることを軽んじているようで好きではないのですが、単語の説明がややこしくなるので、今回はお客さんの情報のことをリストと呼ばせて頂きます。
江戸商人も大事にしていた顧客情報 = リストは、あなたのビジネスを加速させる資産となります。
リストにも以下のように様々な種類があります。
- メルマガ読者リスト:あなた(の会社)に興味がある人
- 見込み客リスト:無料冊子などに応募してきた人
- 新規購入者リスト:商品やサービスを購入してくれた人
それぞれのリスト(お客さん)にあわせた、アプローチの方法が必要ですね。
また、リストの数が多ければ多いほど売り上げが上がると思われているのですが、数だけが重要なのではありません。
たとえば全く知らない人から
「メールアドレスの登録だけで、100万円プレゼント」
と呼びかけられた場合、あなたは普段使うメールアドレスを登録しますか?
たぶん多くの人は、信用していないのでYahoo!などのフリーで取れるメールアドレスを登録すると思います。あまり内容を読まない、どうでもよいアドレスが多いでしょう。このようなアドレスが多いリストは反応が良くない(質が悪い)リストです。
一方で、お客さんに商品を買ってもらっていたり、何年もメルマガを読み続けてもらっていたりするリストは友好な関係が築けている質の良いリストです。
3.リストマーケティングの極意
質の良いリストはどうしたら作れるのでしょうか?
リストと言ってしまうと、その先にいる生身のお客さんを忘れがちですが、基本はあなたとお客さんのコミュニケーションです。コミュニケーションをとり、関係性を深めて行くことでお客さんとの良い関係構築がうまれます。
ひとつ考えてみてください。
メルマガ登録したら知りたい情報があまりなく、興味のない商品やサービスのセールスばかりだったら、そのメルマガを読みたいと思いますか?
きっとメルマガ解除すると思います。
良い関係構築をしたいのであれば、まずは読者のためになる有益な情報を送らなくてはいけません。
情報や価値を提供してから、関係のある商品やサービスのセールスに入らなければほとんど売り上げは上がらないでしょう。この方法は、2ステップマーケティングとも言われます。
読者のためになる情報を送り続けていれば、商品やサービスを購入していなくても、メルマガ発行者にプラスのイメージを持っていると思います。
プラスのイメージがあれば、別の切り口の商品やサービスを見せた時に買ってもらえる可能性が高まります。
また、このマーケティングの方法は、こちらから攻めて行く手法なのでプッシュマーケティングとも呼ばれます。
色々な単語が出てきて、内容が分かりにくくなってきましたね。最後にすっきりとまとめます。
「リストマーケティングを成功させるには、数よりも関係構築が重要」
これが、リストマーケティングの極意です。
余談
私も、3年くらいメルマガを読み続けている方がいます。その方の新サービスが発表された時、私の状況とマッチしたため、その方から初めて購入しました。その購入の決断は間違っていなかったと思っています。
関係構築は、やはり重要ですね。
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